ジャニーズファンの間では、一番のお気に入りのメンバーのことを「自担」(自分が担当=応援している人)と呼び、自担が所属するグループを応援するケースが多い。一方で、応援しているうちに自担が所属するグループ以外のグループにも興味を持つこともあるが、その興味の移り変わりにはある程度傾向があるように思う。例えば、嵐ファンがHey!Say!JUMPへ、関ジャニ∞ファンがジャニーズWESTへ、Kis-My-Ft2ファンがジャニーズJr.へ、といった具合だ。そこにはそれぞれのグループに「共通点がある」という特徴があるのではないかと考えられる。今回は、その共通点について分析・考察してみたいと思う。

■嵐とHey!Say!JUMP

 この2グループに共通するのは、「絶対的アイドル感」だ。嵐は、バラエティ番組にも多く出演し、今や“お茶の間の顔”となった。よくTVで目にするという親しみやすさはあるものの、歌番組やコンサートとなると、その印象は一変する。例えば、今年の夏に放送された『FNSうたの夏まつり』(フジテレビ系)に出演した際には、「Love so sweet」でダンス・パフォーマンスを披露し、カメラが近寄ればしっかりカメラ目線で笑顔をみせるなど、完璧なアイドル像を披露していた。Hey!Say!JUMPもしかり、である。コンサートでは面白い小芝居を挟みつつも、キメる所はしっかりキメる。9人で一糸乱れぬダンスをしながら歌ったり、岡本圭人のギターで山田涼介がソロ曲を披露したり、知念侑李・伊野尾慧・中島裕翔・高木雄也が着ぐるみで踊ったりと、「アイドル感」が至る所に盛り込まれているのだ。そういったところに、両グループのファンはシンパシーを感じているのかもしれない。

■関ジャニ∞とジャニーズWEST

 ジャニーズいち、共通点が分かりやすいグループと言えばこの2組だろう。関西出身という分かりやすい特徴もさることながら、グループの方向性が近しいのだ。関西から東京に進出した「やったるわ! 売れたるわ!」というガツガツした雰囲気や、時に観客が置いていかれるほどメンバー同士が楽しそうにしているところも似ている。また、コンサートの構成にも通じるものがある。関ジャニ∞であれば「ガムシャラ行進曲」、ジャニーズWESTであれば「ズンドコパラダイス」などのノリが良い比較的新しい曲から始まり、一気に加速する。「お祭り感」が出たところでMCやコントがスタート。さらにヒット曲が続き、時には先輩や後輩グループの曲をカバーする、というパターンもそれぞれ似ており、彼ら自身が実に楽しそうに歌って踊っているという点も、共通しているのだ。まさに、関ジャニ∞の血を引いているのが、ジャニーズWESTといっても過言ではないだろう。そんな2組を両方応援したくなるファンの心理は、納得できるものである。

■Kis-My-Ft2とジャニーズJr.

 この2組は先述の2パターンと少し勝手が違うかもしれない。Kis-My-Ft2はコンサートの際、バックに大勢のジャニーズJr.を付ける。コンサートが開催される年によって違いはあれど、2012年に結成されたジャニーズJr.内のグループSnow Manのようなベテランから、入所して間もない新人までさまざまなJr.が出演しているのだ。そのため、コンサート会場でJr.のメンバーの活躍ぶりを見て興味を抱くという人が大勢いると考えられる。そんなKis-My-Ft2とジャニーズJr.の共通点という視点で考えると、「多様性」という言葉が合うだろう。Kis-My-Ft2に藤ヶ谷太輔 のような正統派二枚目キャラ、玉森裕太のような可愛らしいキャラ宮田俊哉のようなイジられキャラがいるように、Jr.にも様々なタイプがいるため、自担に近しいJr.を見付けて興味を持つということも充分にあり得ると思う。

 見た目のかっこよさだけではなく、バラエティ豊かな個性を持ったメンバーが揃っているジャニーズメンバーたち。お気に入りのメンバーだけでなく、少しだけ視野を広げて新しいお気に入りメンバーを見つけるのも、楽しみのひとつかもしれない。
(この記事はエンタメ総合(リアルサウンド)から引用させて頂きました)


次回もお楽しみに!