フジテレビ毎年恒例の番組『FNS 27時間テレビ』が今年も9月に放送されるが、その司会をビートたけしと関ジャニ∞の村上信五が務めることが発表された。フジの『27時間』といえば、毎年バラエティ色を前面に押し出してきたが、今年は「にほんのれきし」をテーマに据え心機一転。チーフプロデューサーも同番組HP上で「『シン・27時間テレビ』をゼロから作るつもりで準備を進めております」と意気込みを語っている。


しかし、たけしといえば御年70歳の超大御所、過去に同番組では5回も司会を務めており、“シン・27時間テレビ”というスローガンとの齟齬は否めない。一方、村上も10~20代には一定のファンがいるものの、全世代の視聴者層にその名が浸透しているとはいいがたく、今回の司会の人選に首を傾ける向きも多い。テレビ局関係者は語る。

「もともとフジは、村上のジャニーズ事務所の先輩である中居正広と、明石家さんまという“名司会コンビ”を想定していました。中居についてはほぼ決定していたのですが、直前になってジャニーズ側が中居を降ろす代わりに村上を起用するという案を、フジに申し入れたのです。中居といえば、昨年のSMAP解散騒動でジャニーズを退社したI氏がマネージャーを務めていた、いわゆる“I派”。一方、藤島ジュリー景子副社長が手がける関ジャニや嵐は“ジュリー派”と呼ばれていますが、ジャニーズとしてはSMAP解散直後の『27時間』でI派の中居に司会をさせるわけにはいかない、という事情があったのです」

では、なぜ関ジャニのメンバー全員ではなく、村上だけが司会なのか。

「ここ数年、フジの『27時間』は視聴率低迷が続き、ライバル番組である日本テレビの『24時間テレビ』に負けており、ジャニーズは今年もフジの『27時間』は絶対にコケるとみています。一方、フジとしては同局が重要視する10~20代の視聴者層を獲得するためにも、どうしてもジャニタレの司会が必要。そこでジャニーズとしてはフジとのお付き合いもあるため、誰も出さないというわけにもいかず、そしてコケた場合の傷を最小限に抑えるためにも、関ジャニメンバー全員ではなく村上だけを差し出したのです。そして矛盾するようですが、ジャニーズとしてはしゃべりができる村上を中居の後継者とみており、村上を育てるという意味もあるようです」(同)

●さんまが辞退?

一方、たけしの起用に至った経緯について、別のテレビ局関係者は語る。

「もともとフジはさんまサイドに打診していましたが、たけし同様に過去に何度も『27時間』の司会をやってきたさんまとしては、体力的にも精神的にもかなりキツいので無理という理由で断ったのです。そこでフジは、特に50代以上をはじめ全世代の視聴者に対し知名度抜群のたけしサイドに打診したのです。しかし、高齢のたけしとしても体力的にキツく乗り気ではなかったため、たけしサイドはフジに対して冗談半分、そして断るつもりで『(出演料が)2000万円だったらいいよ』と言ったところ、なんとフジがOKを出したのです。結局、たけしとしては映画を撮るお金が欲しさに、出演することになったのです。

もっとも、たけしの年齢を考えれば、さすがに27時間ずっと出ずっぱりということはないでしょうが……。ちなみに、この2000万円という金額は、『27時間』の司会としては破格の高さといえますが、たけしクラスの場合は2時間番組で300~500万円ほどなので、単純に時間換算して考えれば必ずしも高額とはいえない“微妙な金額”ではあります」

とにかく司会が決まった『27時間』、大コケしないことを願うばかりである。